大学が休みで実家に帰省した“俺”は、兄が仕事で不在の平日午後、義姉と二人きりになる。
ソファに座る義姉の足元に目をやると、白い靴下がゆるくずり落ちていて――。
「あ、ごめん、だらしない足してるよね」
「……好き、です」
「え?」
「あ、いや、あの、靴下……好きなんです、白いやつ…」
義姉の口元がふっと緩む。
「ふふ…ちょっと変わってるね、〇〇くん」
──ここから始まる、じわじわ攻めてくる白ソックス密室プレイ。
『白い足先に触れたくて』
――夫の留守に、ぼくは義姉の“足”を見ていた。
主人公(20代の義弟)は、兄夫婦の家に数日間居候することに。
ある日の午後、兄は仕事で不在。
リビングでくつろぐ義姉は、白い靴下を履いたまま読書をしていた。
無防備に投げ出された足元に、主人公の視線は釘付けに――。
最初は何気ない日常。
でも、ふとした仕草や会話、視線の交錯で空気が変わっていく。
義姉も気づいている。けど、知らないふりをして挑発してくる。
「靴下、好きなの?」
「…汚れてるの見たい?」
「あんたがそういう目で見るから、困っちゃうな…」
――崩れるのは、時間の問題だった。
静かな午後。
リビングのソファに腰かけた義姉は、足を組み替えながら文庫本をめくっていた。
白い靴下。
洗濯したてじゃない、少しだけ毛玉の浮いた、日常の中にある白。
そのかかと部分が、うっすらとグレーにくすんでいた。
ぼくは、目を逸らせなかった。
「……なに見てるの?」
義姉の声に、心臓が跳ねる。
「べ、別に……ただ、足……その、靴下が」
「靴下?」
彼女はくすっと笑った。
「そんなの見て楽しいの? 変わってるね」
指先で少しだけ、靴下の口ゴムを引っ張って、パチンと戻す。
その何気ない動作に、喉が鳴った。
「……あのね、〇〇くん。あんまりじっと見られると、恥ずかしいよ?」
笑ってるのに、その声は、どこか火照っていた。
義姉は本を閉じ、片膝を立ててソファに深く座り直した。
白い靴下が、膝の上に重なる。そこに、ぼくの視線がまた吸い寄せられる。
「やっぱり、見てるね。……足、好きなの?」
ぼくは黙ったまま、喉が詰まるのを感じた。
彼女の声は優しいのに、どこか確信を持っているようだった。
「うちの旦那、ああいうの全然興味ないのよ。靴下とか、服とか、ぜんぶ適当」
言いながら、義姉は自分の足首を両手で抱えるようにしながら揺らした。
「でも……誰かに“見られてる”って思うと、ちょっと……ゾクッとするね」
その仕草も、その言い回しも、たぶん無意識じゃない。
ぼくを試してる。遊ばれてる。でも、抗えない。
「…義姉さん、それ……わざとですか?」
ぼくの声は、自分でも驚くほど低くて、震えていた。
彼女は、ふっと笑って目を伏せる。
「わざとだったら、どうするの?」
しばらく沈黙が落ちた。
テレビの音も、時計の針も、聞こえなくなった気がした。
「触ってみる?」
息が止まる。
「えっ……」
「靴下。どうしても見たいんでしょ?だったら……ちゃんと見て。ね」
義姉は、片足をすっとぼくの膝の上に乗せた。
白いソックスの先が、目の前にある。
ほんのりぬくもりを感じる距離で――理性が、軋む音を立てた。
膝に乗せられた足は、じんわりと温かくて、柔らかかった。
靴下越しに伝わる感触――布の中にある、生きた肌の存在。
ぼくは震える手で、その足首に指を添えた。
「……ほんとに、触るんだ」
義姉は、そう呟きながらも足を引っ込めなかった。
むしろ少しだけ力を抜いて、ぼくに預けてくる。
指先を滑らせるように、足の甲をなぞる。
布越しの感触なのに、直接肌に触れているような錯覚に、喉が乾いた。
「……ねぇ、〇〇くん」
義姉の声が、さっきより低く、湿っていた。
「靴下のまま、って……興奮するの?」
ぼくは何も言えなかった。ただ、うなずくことしかできなかった。
「そう……なんだ」
義姉は、少しだけ身体を起こして、ぼくの耳元に顔を寄せる。
「だったら、そのまま……もうちょっと、してみて?」
足が、ぼくの太ももに押し当てられる。
布越しに擦られた感触が、腰の奥に響いて――理性の残り火が、ぷつんと音を立てて消えた。
ぼくは、義姉の白ソックスを両手で包み込み、そのまま顔を近づける。
鼻先に触れるのは、柔らかい布と、微かな体温の匂い。
そして、そっと、キスをした。
布の上から、つま先に。何度も、何度も。
義姉は、息を止めたように静かだった。けれど、次の瞬間――
「……キス、してくれるんだ」
「じゃあ……私も、脱がないままで……いい?」
ぼくの返事を待たずに、彼女はソファに倒れ込んだ。
その足は、靴下を履いたまま、ぼくの体に絡みついてくる。
布越しの愛撫、重なっていく息遣い、
すべてが、“脱がせない”という選択によって、よりいやらしくなっていった。
白い靴下を履いたまま、義姉はソファに背を預ける。
うっすらと汗ばんだ足先が、ぼくの胸元を撫でるように動いた。
「……すごいね、〇〇くん。靴下だけで、こんなに……」
義姉は足を絡めたまま、恥ずかしそうに目を伏せる。
けれど、その足先はまるで意志を持っているかのように、ぼくを誘っていた。
ぼくはその足に再びキスを落とし、ふくらはぎから太ももへと、舌を這わせるように舐め上げる。
布越しなのに、いや、布越しだからこそ、淫らさが際立っていく。
「や、だ……そんなとこまで……靴下のまま……変な感じする……」
声とは裏腹に、義姉の身体は拒まない。
むしろ震えているのは、快感のせいだとすぐに分かった。
スカートの奥へ、足先がぼくの腰を引き寄せる。
身体が触れ合う瞬間、靴下の白さがいっそうまぶしく見えた。
「ねぇ……中まで、入れるの?」
「……はい」
「靴下、脱がせないで……ね」
その言葉に、全身が熱くなる。
理性も、罪悪感も、すべてが溶けて消えていった。
白い靴下を履いたまま、義姉とひとつになった。
くちゅくちゅと水音が静かな部屋に響き、ソファがきしむたび、
義姉は小さく声を漏らし、足先にぎゅっと力を込める。
つま先がピンと伸びた時、彼女は小さく震えて果てた。
ぼくもそのまま、深く達して――
「……ん、んふ、うそ……靴下のまま、こんなに……」
乱れた髪、赤く染まった頬、そしてまだ履かれたままの、くったりとした白ソックス。
「……これ、クセになりそう」
義姉のそのひと言で、ぼくはまた、罪の味を覚えてしまった。
🧦 完 🧦
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